2013/11/07


『最後の審判』に関しても、著者はこう書いています。



 壁画全体は明るい青色を背景にしているが、画面上の人物は、だれ一人明るい表情をしていないのには驚くばかりである。天上の天使たちも、愛くるしさなどなく、翼を持たない裸の男の子たちが、笑顔一つ見せず鞭打ち用の柱や十字架といった受難具を抱えて地上へ降りてきている。イエスが被った受難の道具は、救いの象徴でもあると教義では説かれるが、天使たちの深刻な表情からは救いの希望は伝わってこない。その男の子たちは、筋肉も隆々としていて、男性の身体に女性的な美を見つけ強調してきたミケランジェロが、この「最後の審判」では天上(天国)の住者である男の子たちにそういう美質を描き出そうとしなかった。そしてその分、天使たちの住む世界が重苦しく見えるのは否定できない。





- 【読書感想】ミケランジェロ - 琥珀色の戯言
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20131010#p1