2013/11/28

"「カチンの森」は、何十年もポーランド人の記憶の深い傷として膿みタダレて
来たのや。ひとつには、共産党時代、このハナシをオオッピラに喋るこ とはご
法度だった。ソ連の公式立場からは、この大殺戮はナチスの仕業とされていた。
死去したカチンスキー大統領の支持者たちは、右派政治家とカチ ンスキー大統
領の双子兄弟ジャロスロウに煽られて「二度目のカチン悲劇」を語り始めたの
や。ポーランドは真っ二つに割れた。ある者は墜落は事故 だったと言い、ある
者は暗殺だったと言う。

2011年7月、政府の調査で、墜落原因は複雑だがありふれたものだとされ
た。組織的怠慢、パイロットの貧弱技術、悪天候、スモレンスク飛行場の 見か
け倒しのオソマツさ、などなど。つまり、大統領機は、この日、離陸するべきで
はなかったのだと。

しかし狂気じみた説がイロイロ出て来た。ロシアが霧を発生させたのだ。「真空
爆弾」が仕掛けられていたのだ。機体は磁気によって地上に引き落とさ れたの
だ。数人の生存者が居たが地上で処理されたのだ、などなど。

ポーランドのリベラル・インテリ連中は、この過熱した妄想に名前を付けた。
「スモレンスク信仰」と。その教義は、ポーランドのメシアニズム、宗教 的原
理主義、外国人嫌悪、殉教、などの並はずれて爆発的な混合物。この信仰の信奉
者たちは、あの墜落について冷静な論議をする者こそ悪意の暗殺者 の証明であ
ると。"

- 「カチンの森事件とポーランド新右翼」: ウンコ通信
http://brain-jack.asablo.jp/blog/2013/11/25/7072995