2013/11/27

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依存の方というのは「底つき」と「気づき」というものが絶対に必要。そのため
には、家族が全部、彼を捨てるんです。一切、面倒を見てはいけない。 でも、
大好きな夫が駅前でひっくり返っているとか、それを放置するというのはものす
ごい根性が要るのですよ。家に火をつけても放っておくというぐ らいの根性が
要るんです。そのときに、彼は初めて、自分は死んじゃうかもと気がつくので
す。それが「底つき」と「気づき」です。

DVも病気みたいなものなんです。だから特に若い女性、赤ちゃんのいる女性は、
シェルターがありますから、そこへ逃げる。何があっても我慢しては いけない
ということですね。私はそれをいつも講演会で話してます。本人は何を言っても
わからない状況になっているので、周りの方が声をかけてあげ る。あなたの家
はもしかしたらそうなんじゃないのと、シェルターに逃げないといけませんよと。

暴力の連鎖を子供に継がすと、子供は貧困と暴力と嘘の中で育ってしまいます。
それは一番やっちゃいけないこと。私はそれに気づくのに6年もかかっ てしまっ
たんです。

それで「底つき」があって、いよいよ本当に治すと彼が言って戻ったときは非常
に優しい素敵ないい彼になっていて、初めてけんかのない思いやりのあ る家庭
を私は彼と半年だけ過ごすことができたんです。彼は悪性のがんだったので死ぬ
時期は決まっていたんですけれど、私がもう1年早く手を放して あげれば、「底
つき」が早ければ、彼はもう1年長く、人として生きられてましたね。

うちの夫を人に戻すのにも、がんのときにちゃんと死なせるにも物すごいお金が
かかりました。だから最後に彼を人に戻して、ありがとうと言って、愛 してる
よ、と言って彼は死んでいったんですけれど、本当にそのときお金があって良
かった、ということが分かって、これだ、みたいな。

人が人であるためには、お金が要ります。そのためには働いてないといけませ
ん。それがやっぱり一番、先輩女性として後輩の女性に言いたいことで す。

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- 「共同参画」2013年11月号 | 内閣府男女共同参画局
http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2013/201311/201311_04.html