2013/11/18


そんなある日、談志は談春の胸中を見透かして、「お前に嫉妬とは何か教えてやる」と言って、

次のように説いている。談志、49歳のときの言葉だ。

「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、

 自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。



 一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。

 本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。

 しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。

 芸人なんぞそういう輩のかたまりみたいなもんだ。

 だがそんなことで状況は何も変わらない」

嫉妬に陥ると、つい相手の実力にケチをつけたくなるものだ。

しかし、相手の評判を貶めたところで空しいだけ。

本当に悔しければ、とるべき行動は別にあるはずだ。

談志にそう指摘された談春は、それ以来、志らくとできるだけつるむようになった。

そして志らくの意外なまでの古典落語への愛情、そしてその圧倒的な覚えの早さに舌を巻いたのである。

結局、志らくは談春よりも早く、真打ちへと昇格。

談春は自ら名乗り出て、志らくの真打ち昇格パーティの司会を務めた。

後輩が自分を抜くパーティを、自らが司会をして祝う――。

自分を追い込むような行動に、談志もそれを聞いたときは思わず黙ってしまったという。



- 「よく覚えとけ。現実は正解なんだ。」立川談志49歳のことばが身にしみる - エディターズダイアリー | ジセダイ
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