2013/10/16

"若い頃はバックパッカーで、ユーコン河流域やタクラカン沙漠などといった辺境地をうろうろしていたこともあり、一時私は、野外教育のインストラクターを目指そうかな・・・、などとバカなことを思っていた時期があった。

 このため、英国に本部がある由緒ある野外教育機関の日本校で、1週間の泊まりこみで野外教育者の養成コースを受講したことがある。その講習の中で、こんな課題の演習があった。

 「山中の登山道を数人の仲間と歩いていると、曲がり道の先にある崖の下に誰か人が倒れている! さて、君はまず何をなすべきか?」

 われわれ受講生は、野外教育者を目指すコースを受講するだけに、みな登山やスキーなどのベテラン揃いであり、上記の課題に対して「速やかにCPR(心肺蘇生法)を施す」という人がいるかと思えば、「自分たちパーティーのメンバーに迅速に役割分担を指示し、倒れている人を搬送する」などといった、手馴れた対応をした。

 しかしこれらの対応は、野外活動中のリーダーの対応としては、すべて落第である。正解は、

 「自分と仲間の安全の確保」

 である。応急処置も、搬送も、すべて自分たちの安全確保が十分になされた後に、行わなければならない。

 なぜ、曲がり道の先で、人が倒れているのか? その原因がはっきりするまでは、安易に現場に近寄るべきではない。

 そこには、火山性の有毒ガスが流れているかもしれない。あるいはそこは、落石の巣かもしれない。ナイフを持った犯罪者が近くに潜んでいたり、手負いの危険な野生動物が徘徊しているかもしれない・・・。

 だからこそリーダーとして異変を見つけたら、まず自分と仲間の安全確保を最優先にしなければならないのだ。"

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