“戦時中の日本は軍部独裁の暗い時代だった、という「常識」は、おそらく間違いである。より正確にいうなら、「作られた常識」だ。たとえば、「鬼畜米英」
「撃ちして止まむ」などの悲壮な標語は、その多くが昭和18年以降に生まれている。つまり、本当に暗かったのは、負けが決まった後、つまり終戦前の2年ほ
どに過ぎない。また、軍部が独裁色を露わにしたのは、戦局が不利になり責任論が浮上した後のことだ。しかも一般国民は、政府がヒステリックに叫ぶ「電髪禁
止令」や「国民服にモンペ」を適当に受け流し、それなりにおしゃれや贅沢を楽しんでいたし、それを非国民と指弾する声も小さかった。そのあらわれが、婦人
のパーマであり、女学生のブラウスと下着の肩紐ではないか。
もちろん、たったこれだけの資料から、何かを断言することはできない。だが少なくとも、教科書的「常識」を疑う必要を、これらの写真から読み取るべきだと
思う。”
- 終戦記念日と美人と作られた常識: 花水木法律事務所