“ さて堀井氏はいう。一杯のかけそば推進派の人たちは、栗良平がペテン師だとわかった瞬間に、きれいに口をぬぐった。昭和19年に戦争協力を叫んでいた人たちが昭和20年秋にとったのと同じ態度である、と。
マスコミに大々的に取り上げられたとき、栗良平は『一杯のかけそば』 は実話だ、と言い切ってしまったのだが、堀井氏はいう、おそらく作品を作るヒントになった出来事が何かあったんじゃないだろうか。そういうシーンが彼の頭 の中に「実際に存在したシーン」として映し出されたんだとおもう。だから実話ですかと聞かれて、そうです、と答えてしまいひっこみがつかなくなったんだろ う、と。それはもちろん、質問した側が「あれは実話であって欲しい」と願っていたからだ。目の前の相手が望んでいることを話し、とにかくその気持ちを自分 のおもいどおりに動かしたいというのが、ペテン師が望んでるすべてだ。ウソをついているつもりはない(ついているんだけどね)。でも、本人の意識として は、あなたが望んでるからそう言ったまでで、自分が進んでウソを言ったというわけではない、ということになる。
ワイドショーで好意的に大々的に取り上げられた二週間後、いっせいに栗良平が叩かれだした。堀井氏はいう。あんなせこいペテン師は、叩けば いくらだってほこりが出る。というか、ほこりを全部はたいたら、本人がなくなっちゃうよ、というタイプの人間だ。あちこちで小さく騙していたせこいペテン が次々と明るみに出て、栗良平は、感動の童話作家か ら、小ずるいペテン師へとなりさがってしまった。そんなの、どっちも本人が持ってる資質で、どっちに光を当てるかだけだろうとおもうんだが、世間はそうは 見てくれないのだ。「せこいペテン師にだって、世間を感動させる物語が作れるなんて、それこそいい話じゃないか」と僕はおもったが、誰もそんな擁護はしな かった。世間はあまりペテン師の味方をしないようだ、と。
”
- 「一杯のかけそば」と最近の理研騒動のことなど - 日々平安録
マスコミに大々的に取り上げられたとき、栗良平は『一杯のかけそば』 は実話だ、と言い切ってしまったのだが、堀井氏はいう、おそらく作品を作るヒントになった出来事が何かあったんじゃないだろうか。そういうシーンが彼の頭 の中に「実際に存在したシーン」として映し出されたんだとおもう。だから実話ですかと聞かれて、そうです、と答えてしまいひっこみがつかなくなったんだろ う、と。それはもちろん、質問した側が「あれは実話であって欲しい」と願っていたからだ。目の前の相手が望んでいることを話し、とにかくその気持ちを自分 のおもいどおりに動かしたいというのが、ペテン師が望んでるすべてだ。ウソをついているつもりはない(ついているんだけどね)。でも、本人の意識として は、あなたが望んでるからそう言ったまでで、自分が進んでウソを言ったというわけではない、ということになる。
ワイドショーで好意的に大々的に取り上げられた二週間後、いっせいに栗良平が叩かれだした。堀井氏はいう。あんなせこいペテン師は、叩けば いくらだってほこりが出る。というか、ほこりを全部はたいたら、本人がなくなっちゃうよ、というタイプの人間だ。あちこちで小さく騙していたせこいペテン が次々と明るみに出て、栗良平は、感動の童話作家か ら、小ずるいペテン師へとなりさがってしまった。そんなの、どっちも本人が持ってる資質で、どっちに光を当てるかだけだろうとおもうんだが、世間はそうは 見てくれないのだ。「せこいペテン師にだって、世間を感動させる物語が作れるなんて、それこそいい話じゃないか」と僕はおもったが、誰もそんな擁護はしな かった。世間はあまりペテン師の味方をしないようだ、と。
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