“
すごく後になってから、もう60歳を過ぎたくらいだったかな。姉と雑談をしているときに、あのとき母が乱暴に扱われて悔しかったねって言ったら、姉が「あれはすごく有り難かったの」って言うんで、何で?って聞いたら……。(略)
[実は父が]故郷の風習でお葬式をやってほしいと、町の人たちに頼んだって言うんですね。だから父が頼んだことをみんなで一生懸命やってくれていたんだということが分かってね。ずーっと疎開者だから無神経にされたって思っていたけど、ぜんぜん見当違いだったんですね。
まったく違う意味に読み取って、それが60過ぎまで僕の人生観のどこかにしこりになってずーっとあったんですよ。
(略)
ホントに人間って、誤解して自己形成しちゃったりするんだなあって(苦笑)
”
-
倉本聰対談集 山田太一他 - 本と奇妙な煙