“
どうしてこんな目に遭わなくてはならないのか。いつ犯した罪のせいで。なんの罪を犯したせいで。どうやって、だれに犯した罪のせいで。
覚えがない。身に覚えがない?
本当に?
さうだつた、おれにはそもそも力量といふものがないのだつた。安心して生活を送るなんて大それた夢を抱く資格がなかった。なにが罪だ、おれの無能が
罪そのものだ。その罪がおれを詰ませる。将棋盤をひっくり返す膂力もない。おれは独りへたり込んで、どうやって楽に死ねるか考える。
”
- 年度末の終わりとハードボイルド・ワンダーランド - 関内関外日記(内)