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イラク戦争を始めるときにブッシュジュニアは「日本人に民主主義を教えられたわれわれがイラク人に民主主義を教えられないはずはない。イラク占領
は『日本型』をめざす」と言っていて、わしを甚(いた)くおもしろがらせたが、日本の人が聞けば「なにを言いやがる」と思いそうでも、アメリカ人というひ
とびとは、いざとなると包み隠さず自分たちの正直な気持ちを述べてしまうひとびとで、「日本という国は日本人のなんでも器用にマネをする性質を利用して自
分たちの自由社会をマネさせることによって出来た自由社会なのだ。かっこいいじゃん。ほんで、あの国は、アメリカの作品なんだぞ」と明瞭に述べる。
ふつーの生身の人間を神様だと信じて崇めていた手先は器用だが本質的に遅れた民族を欧州人たちの前にだしても恥ずかしくない一人前の人間の社会にしてやったんだぜ、という自負心がある。
日本人が聞いたらはなはだしく自尊心が傷付くような思いようだが、日本人の前ではまさか失礼だから言わないし、それでも、いざとなれば涼しい顔をし
て思ったとおりを述べて、「それでは、あんまりではないですか。ではわれわれのプライドの問題というものはどうしてくれるのだ」と日本のひとが抗議しても
「それは、それ、別の問題で歴史的な真実は変えるわけにはいかないだろう」というに違いない。
民主制度というものは要するに政体であって制度なので社会の頭から力まかせにかぶせてしまえば、どんな人間と社会の関わりようを自然と感じる民族にもかぶせてしまうことができます。
族長制でも絶対王政でも変わるところはない。
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芸達者 | ガメ・オベールの日本語練習帳v_大庭亀夫の休日