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そのうちの一つに、「憧れの人であるデーブ・スペクターに会いたい」という、19歳男子の夢を叶えるというものがあった。高校球児だった頃、大事 な試合にチャンスを迎え、ラストバッターとなったにも関わらず、打てずに負けてしまったことに落ち込み、ひきこもりがちになったとのこと。そこでテレビを つけたら、デーブ・スペクターがダジャレを言っていて、それでようやく笑えるようになったとのこと。その言葉は「案ずるより横山やすし」。デーブの、どれ だけウケなくてもダジャレを言い続けるチャレンジ精神をリスペクトし、それ以降デーブのスクラップまでつくるようになったこと。 
 
有名人の何気ないテレビの一言で、人生の絶望から救い出された。どう見ても美談である。美談なんだが、その対象がデーブであり、その言葉が「案ずる より横山やすし」という点から、とにかく画がおかしなことになっている。その男子のアパートにデーブスペクターがたずねてくると分かると、その男子は部屋 の掃除をし、ゴミを見えないところに隠し、スーツに着替え、寿司の出前を取り、歯を磨き、目を潤ませる。デーブはデーブで、尊敬されなれていないのか、最 後までドッキリではないかと半信半疑。男子にせがまれてダジャレを言うと、男子は感動のあまり泣き出してしまい、それを見てさらに困惑する。

 
 
- デーブ・スペクターに号泣する日