“ 「私は否定できます。人民を害する権利は、人民自身にしかないからです。言い換えますと、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム、ま
たそれよりはるかに小者ながらヨブ・トリューニヒトなどを政権につけたのは、たしかに人民自身の責任です。他人を責めようがありません。まさに肝腎なのは
その点であって、専制政治の罪とは、人民が政治の害悪を他人のせいにできるという点につきるのです。その罪の大きさにくらべれば、100人の名君の善政の
功も小さなものです。まして閣下、あなたのように聡明な君主の出現がまれなものであることを思えば、功罪は明らかなように思えるのですが・・・」
「ひとつの正義に対して、逆の方角に等量等質の正義が必ず存在するのではないかと私は思っていますので、それを申し上げてみただけのことです。これは私
がそう思っているだけで、あるいは宇宙には唯一無二の真理が存在し、それを解明する連立方程式があるのかもしれませんが、それにとどくほど私の手は長くな
いのです」
「私が嫌いなのは、自分だけ安全な場所に隠れて戦争を賛美し、愛国心を強調し、他人を戦場に駆り立てて後方で安楽な生活を送るようなやからです。こういう連中と同じ旗のもとにいるのは、耐え難い苦痛です」”
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diary110