ジャガイモの皮はむくべきか
カレーやシチューなどを作るとき、ジャガイモの皮はむいてから調理するのが普
通です。でも、ジャガイモを丸ごと焼いてみたとき、少し焦げた皮の部 分がお
いしいことは、よく知られています。はたして、ジャガイモの皮はむくべきなの
でしょうか、むかないべきなのでしょうか。
ジャガイモは栄養分豊かな野菜ですが、とくに皮と皮に近い部分にはポリフェ
ノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれています。クロロゲン酸に は抗
酸化作用があり、悪玉コレステロール値を低下させて動脈硬化を防いだり、ガン
を予防する作用があるといわれています。ほかにも、皮に近い部分 にはタンパ
ク質やビタミン、葉酸、ミネラルなども多いことがわかっています。
ところが、もし調理前に生のジャガイモの皮をむいてしまうと、そうした栄養分
も皮とともに失われてしまうことになります。興味深いことに、こうし た栄養
学的なことが知られていなかった時代から、ジャガイモは皮ごと食べたほうがい
いといわれていました。ジャガイモ料理の本場ドイツでも、ジャ ガイモは皮ご
と調理するのがふつうです。皮をむく場合も、生ではなく、かならず茹でたり煮
たりしてからむくように奨励されています。
皮ごと食べたほうがいいとされている野菜はジャガイモだけではありません。ニ
ンジンやゴボウも皮に栄養分や旨みの成分が含まれているので、できれ ば皮ご
と調理した方がおいしいといわれています。ちなみに、意外と知られていません
が、お店に袋に入って売られているニンジンは、すでに薄皮をむ かれた状態な
ので、わざわざ皮をむく必要はありません。
では、どうして皮をむくようになったのでしょう。じつは野菜の皮をむくように
なったのは戦後からだといわれています。理由は食感をよくするため と、安全
のためといわれています。たしかに、食物繊維の多い皮を取り除くことで違った
食感を楽しむことができます。それでも伝統的な漬物や切り干 し大根では皮は
むかれていません。皮が栄養や旨みの鍵であることは昔から知られていたので
す。また、市販されている野菜の多くは水洗いすれば皮を むかなくても安全と
されています。
栄養価の高いジャガイモの皮ですが、むいた方がいいときもあります。それは掘
り出したジャガイモが日光に当たって、皮が緑色になっている場合で す。この
とき皮には、ジャガイモの芽に含まれているのと同じソラニンというアルカロイ
ドがつくられています。これを大量に摂取すると腹痛や下痢を 起こす場合があ
るので食べないようにしましょう。
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