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きみは次から次に自分が不幸である理由を列挙しながら、ふと、カウンタの向こうでコーヒーをつくっている、あのおばちゃんは、自分の仲間なのではなかろうか、と甘美な空想にひたりはじめる。
あんなに荒っぽい口調で話しているが、ほんとうは輝くような純粋な魂の持ち主で、自分には想像もつかない馥郁とした精神を隠しているだけなのではないか。
突然、まだ会ったことがない、見も知らない、「親友」の数を数え始める。
まるで人間の汚い息でくもった夜空に幽かに輝く星の数を数えるように。
もう夜さえも、違う種類の暗闇に覆われてしまうだろうから。
過去も。
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- 輝かしいもの、あるいは「終わりのない世界」の凡庸さについて | ガメ・オベールの日本語練習帳v_大庭亀夫の休日