“一方小保方氏の博士論文における他者の文章の盗用は広範かつ多岐にわたり、この不正行為の評価は早稲田大学が最終的に決定することであろうが、私の所属
するシカゴ大学の基準なら博士号取り消しにとどまらず、懲罰処分が相当の重大なものである。見過ごした大学、特にこの博士論文の審査委員会の過失責任も重
大であるが、これが確定すれば、彼女の博士号取得は詐取となる。また、その肩書を利用した所得や、理研や学術振興会から彼女が受けていた研究費や奨励金
も、博士の肩書きが条件であれば、詐取となる可能性が大である。これはSTAP細胞が作られたか否かとは全く独立の問題で、仮に成功していたとしてもそれ
で許されるものではない。また、仮に指導教官らの不正見過ごしについての重大な過失があったにせよ、その過失が小保方氏自身の博士号詐取の責任を軽減する
ものではない。しかし現在のところ、拙速を嫌っているのかも知れないが、早稲田大学は類似の280の博士論文の審査をすると発表しながら、肝心の小保方氏
の論文再審査問題の説明責任を果たしていない。もし指導教官らの責任問題と絡めているので結論が出ないのであれば、それは2つの異なる問題の混同といえよ
う。”
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RIETI - 学問・研究における社会的公正と自由競争-小保方氏問題によせて